パーソナライゼーションとは?マーケティングの活用事例とともに紹介
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パーソナライゼーションとは?マーケティングの活用事例とともに紹介

Serene Ho

顧客の属性や行動を分析し、顧客一人一人に合ったコンテンツや機能を提供することをパーソナライゼーションといいます。活用事例とともに、本記事ではパーソナライゼーションについて説明していきます。

パーソナライゼーションとは

パーソナライゼーション(Personalization)とは、顧客やユーザーに対して、1人1人個人に合うコンテンツや機能を提供することを意味します。英語のパーソナライズは、日本語では「個人化する」という意味になり、個人個人に合ったものにするという意味になります。このパーソナライズを名詞化したものがパーソナライゼーションです。ビジネスではパーソナライゼーションと使う場合には、顧客の属性や行動を分析し、その顧客のニーズに合った商品やサービスを提案するという意味で用いられています。

パーソナライゼーションとカスタマイゼーションの違い

パーソナライゼーションとカスタマイゼーション(Customization)の違いは、個人に合った機能やコンテンツを選ぶのが誰なのか、という点です。パーソナライゼーションは顧客のニーズを調べ、企業側が顧客に合った機能やコンテンツを提案します。そうすることで、より顧客に満足してもらう機能・コンテンツを提供することができ、より良いユーザー体験や、売上の向上につながります。一方、カスタマイゼーションは顧客の方で利用したい機能や見たいコンテンツを、自分の好みに合わせて選ぶという意味になります。

パーソナライゼーションが重要な理由

ユーザーに合わせるほど、説得力を持つ

パーソナライゼーションで、顧客のニーズに合わせることで、商品やサービスにより説得力を持たせることができます。パーソナライゼーションによって顧客獲得コストを50%まで下げられることできた、という研究結果も発表されています。

「パーソナライゼーションは顧客獲得コストを50%まで下げることができる」- ADWEEK調査

パーソナライゼーションを取り入れれば、より少ないコストで顧客を獲得することができ、企業の収益性を向上することができます。

現代のユーザーはパーソナライゼーションを期待している

現代のユーザーは、コンテンツに対してパーソナライゼーションを期待しているという研究結果が発表されています。

「42%の消費者は、コンテンツがパーソナライゼーションされていないときにイライラする、と回答 – Adobe調査

パーソナライゼーションが実現させていないコンテンツは、現代のユーザーのニーズを満たしていないとみなされ、顧客に不満感を与えてしまいます。顧客満足度を高めるためにも、パーソナライゼーションは重要なのです。

ブランドロイヤルティとリテンションを向上させる

パーソナライゼーションを行うことでブランドロイヤリティとユーザーリテンションを向上させることができます。ブランドにとってパーソナライゼーションは重要だと考える消費者は少なくありません。

「67%の消費者が、ブランド側が文脈に合わせて、リアルタイムにパーソナライゼーションされた購買体験を提供することは重要だと思う」と回答 – ADWEEK調査

ブランドにはそれぞれの文脈に合わせた体験を提供することが求められており、その体験がパーソナライゼーションされたものであればあるほど。多くの消費者を満足させられる体験になります。ブランドロイヤリティを向上させることができれば、より多くの消費者に気に入られるブランドになるでしょう。

また、パーソナライゼーションはユーザーのリテンションを改善するためにも活用されています。

米国・英国におけるeコマース企業のトップ400社の中の58%は、パーソナライゼーション戦略を追求するのはリテンション率の改善が最も大きな理由、と回答 – MarketingCharts

ブランドを好きになってもらうだけではなく、継続的に購入してもらうために、パーソナライゼーションは世界中で活用されている戦略です。

パーソナライゼーションのために最も重要なデータ

パーソナライゼーションにおいて重要となるのは、ユーザーや顧客のデータです。どんな種類のデータをトラッキングし、活用するのかかが鍵を握ります。

パーソナライゼーションで用いられる重要なデータとしてはデモグラフィックデータや行動データ、コンテクストデータといったものがあります。これらのデータを収集し、分析して活用することで、顧客のニーズを詳細に把握できるようになります。

以下、マーケティング戦略にパーソナライゼーションを取り入れるために、最も重要なデータの種類をご説明します。

デモグラフィックデータ

デモグラフィックデータとは、マーケティングに用いられることの多いデータで、人口統計学的なデータのことを指します。デモグラフィックデータには、下記のようなデータが含まれます。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 学歴
  • 年収
  • 家族構成
  • ライフステージ

これらのデータは、顧客のニーズと密接に関係します。たとえば、年齢によって味の好みは変わるため、外食産業においては年齢もマーケティング上、重要なデータとなります。性別や職業、年収などによっても、求める製品やサービスの傾向は変わってきます。顧客の動向を探る際には、商品やサービスを一度購入した顧客のデモグラフィックデータを収集するケースが多いです。そうすることで顧客の傾向を読み取ることができ、次の購買のためのマーケティングに活用するなどして、パーソナライゼーションを効果的に行うことができます。

行動データ

行動データとは、ウェブサイトやアプリの中でユーザーがどんな行動したのか、計測したデータのことを指します。ウェブサイトやアプリが増えて来たことに伴い、マーケターは大量のデータを分析し、インサイトを得て、マーケティングに活用することができます。行動データに含まれるものは、たとえば下記のようなものが含まれます。

  • サイトやアプリを開いた後に、どんな経路をたどったか。たとえばフードデリバリーアプリで、金曜日の夜に送ったキャンペーンメールを開封した後に何%がアプリを開き、すぐにデリバリーを注文したユーザーは何%いて、注文してから平均して何分後にデリバリー完了の通知を受け取ったか。
  • どのくらいの頻度でウェブサイトやアプリを閲覧していて、どんな機能を利用しているか。また、どんなリンクをクリックしているか。
  • ユーザーがコンバージョン(会員登録や商品購入などの、ユーザーにたどりついて欲しい最終的なゴール)を達成する前に、どのくらいの滞在時間、サイトやアプリを閲覧しているか。コンバージョンする前に、ユーザーがどこをクリックしたり、どんな機能を使用したりしているか。
  • どんなコンテンツを、どのくらいの時間をかけて読まれていて、読んだ後にどんな行動をとることが多いか。
  • アプリやウェブサイトで、どんな機能がユーザーによく利用されているのか。またその機能を利用したユーザーとそうではないユーザーで、リテンション率にどの程度の違いがあるか。

たとえば、Eコマース企業は、ユーザーの行動を理解するために、どんなカテゴリの商品が人気のカテゴリなのか分析し、把握することができます。さらに、どんな行動をすると初回購入に繋がることが多いのかということも、分析することができます。他にも、カートの中に商品を入れてから支払いに至るまで、平均してどのくらい時間がかかっているのか、などといったこともわかります。

またこういった行動データを活用することで、たとえば、既に一度購入した顧客のグループに対して、どんな商品を購入したかというデータに基づき、1人1人個別に最適化された販促メールを送ることも可能です。

コンテクストデータ

コンテクストデータとは、顧客やユーザーがどんなデバイスやブラウザを利用し、どんな文脈でデバイスやブラウザなどの情報のことです。たとえば、サイトを訪れる人はスマートフォンとパソコンのどちらなのか、どんなブラウザを使っているのかなどといったデータに合わせて、それぞれに適したサービスや機能を提供します。スマホの利用者が多ければ、スマホで見やすいようにすることが重要になります。その結果、顧客が快適にサービスを利用できるようになり、購買につなげやすくなります。

パーソナライゼーションを実行するポイント

タイミング:いつパーソナライズするか

パーソナライゼーションを活用する際には、どんなタイミングでパーソナライズするのかが大切です。適切なタイミングでパーソナライズを行うことで、顧客のニーズに応え、満足できる体験をさせることができます。

たとえば、ウェブサイトでユーザーがログインした瞬間にパーソナライズすることを考えてみましょう。ウェブサイトで、顧客に対しておすすめ商品を表示するサイトはたくさんあります。顧客の好みに合った商品がおすすめ枠に表示されれば、きっと興味を持ってもらい、他の商品ページにアクセスしてくれるでしょう。おすすめした商品を購入してくれれば、売上増加に繋がります。

またパーソナライズのタイミングを考える際には、セグメンテーションが重要です。セグメンテーションとは、顧客を分類することを意味します。顧客を属性や性質などで区分すれば、それらを元にしてパーソナライズできます。セグメンテーションされた顧客ごとに、最適なタイミングでパーソナライズされたコンテンツや機能を提供します。

コホート分析という方法も役立ちます。コホートとは、同時期に同じような経験をした、もしくは同じような特徴がある人々をグループ分けしたものです。コホート分析をすることで、ユーザーがライフサイクルの中で行った行動パターンを特定することができます。コホートで注目する特徴には、たとえば以下のようなものがあげられます。

  • デモグラフィクス(年齢、場所など)
  • 行動(ある機能を使用した回数、購買時にいくら払ったかなど)
  • テクノロジー環境(アプリなのかサイトなのか、SDKのバージョンなど)

コホート分析を通じて、ユーザーにパーソナライゼーションされたコンテンツや機能をいつ提供するのか、効果的に実行することができます。ここで得られたデータも、パーソナライズのタイミングを決めるのに活用することができます。

コミュニケーション方法:ユーザーがどう見るか

ユーザーへのパーソナライゼーションを行っていく中で、コミュニケーションは重要な要素です。それぞれのユーザー-に対してパーソナライズされたコミュニケーションをすることで、ユーザーに合った体験を提供することができます。

たとえば、Eメールやアプリ通知を利用したコミュニケーション方法はよく活用されます。それぞれの顧客に対して最適なタイミングでステップメール(ある起点をもとに、自動的に送信されるメール。たとえば、ユーザーが新規登録したときに送られる登録確認メールなど。)を送り、売上アップを目指すといった戦略は採用されることが多いです。

ユーザーの属性によって、メールやアプリ、SNSなど適したコミュニケーション方法には違いがあるものです。事前にしっかりと分析を行い、ユーザーのニーズに合ったコミュニケーション方法を選択しましょう。

ユーザーが求めているものを、どう提供するか

パーソナライゼーションはユーザーのニーズに合ったものを提供することであり、いかにして提供するかを考えることが大切です。ユーザーのニーズを探っていくために、データ分析やテストを継続的に行い、より精度の高いパーソナライゼーションを実現していきます。継続して分析やテストを繰り返すことで、さらにユーザーニーズを満たしていくことができます。

ユーザーの行動を分析するツールであるMixpanelを利用すれば、ユーザーのデータから簡単にインサイトを得ることができ、効果的にパーソナライゼーションを行うことができます。

Mixpanelを使えば、新規ユーザー、退会後に再登録したユーザー、退会したユーザー、(長期に渡り)継続して利用しているユーザーなどといったコホートに分類し、それぞれのコホート別のデータを分析して得られたインサイトをもとに、パーソナライゼーション戦略を計画することができます。

たとえば、登録後に簡単な使い方の説明を見てから利用を開始したユーザーたちと、説明を無視してすぐに利用を開始したユーザーたちでは、どちらの方がリテンションするでしょう?こういったことも、Mixpanelでリテンション率を比較することで把握することができます。ユーザーにどんなステップを踏んでもらえば長くリテンションしてくれるのか、データをもとに分析し、パーソナライゼーションに活用することができます。

また、リテンションだけではなく、チャーン(解約)に関しても同様のアプローチが可能です。ユーザーがどんな行動をしたら、チャーンの可能性が高いと言えるでしょうか?Mixpanelを利用すれば、どんな行動がチャーンに結び付くのかを特定することができますし、コミュニケーションツールと連携させることで、チャーンしそうなユーザーに対してチャーンを防ぐような対策をすることができます。

パーソナライゼーションに関する法規制

パーソナライゼーションを実現するためには、前提としてデータ収集が不可欠です。しかし、データ収集は個人情報やプライバシーの問題に関わるため法規制に注意しなければいけません。

クッキーについては世界的に規制が進められています。日本では2020年6月に個人情報保護法改正が公布されており、2022年4月より全面的に施行される予定です。この変更では、クッキーを活用してデータを収集・利用することについてユーザーからの同意を確認することが義務づけられます。

また2018年にはEUでGDPRが施行されました。GDPRは一般データ保護規則と言われるもので、個人情報の収集や利用についてのガイドラインと言われます。これによって、個人データの収集の際にはデータ利用についての承諾が義務付けられました。

さらに2020年1月から、カリフォルニアではCCPAが施行されました。こちらはカリフォルニア州消費者プライバシー法と日本語でいい、個人データの利用について同意を得ることが義務付けられています。

このようにクッキーを活用したデータ収集の法規制が進められているため、パーソナライゼーションにおけるデータ収集において、法規制に触れないよう気を付けていく必要があります。

パーソナライゼーションの事例

パーソナライゼーションの具体的な事例について紹介します。こちらで紹介する事例はすべてMixpanelの顧客のものです。それではそれぞれの事例について詳しくみていきましょう。

CLOROX(Hidden Valley Ranch)

CLOROXは、消費者向けにさまざまな消費財を販売しているアメリカの企業で、Hidden Valley Ranchという名前のサラダドレッシングを販売しています。CLOROXは、ウェブサイト上での売上を増やすため、Mixpanelを活用してデータを分析し、パーソナライゼーションが効果的なのではないか、という仮説にたどりつきました。この仮説を実行し、統計モデルを構築し、ABテストを実施しました。その結果、エンゲージメントを30%上昇させることができ、コンテンツの閲覧数も3倍にすることができ、さらにブランドロイヤルティを強化することができました。

KKDay

KKdayは旅行のアクティビティや現地ツアーのオンライン予約などを提供する台湾の企業です。以前は成約までにかかる期間を1日~3日と見積もっていたのですが、Mixpanelでデータを確認したところ85%の人たちは50分で予約プロセスを完了していたことがわかりました。そこで、その50分という時間内におけるユーザーエンゲージメントの最適化を図ることを目標としました。

Mixpanelを活用して分析したところ、ユーザーが検索したキーワードの80%が都市名であることが判明しました。そこで、検索ボックスに新しい機能を加えて、人気の高い20の都市を常に表示できるようにしました。また、ページ内のどの部分で離脱が多いのかも分析して改善を加えました。

Mixpanelを利用した結果、KKdayはコンバージョン率を2倍に高めることに成功して、クリック率も7.7%に改善しました。また検索機能とマシンラーニングの質に改善が見られました。

Canal Digital

Canal Digitalは有料テレビ事業者です。Canal Digitalは、より多くの視聴者を取り組むための新しい方法を模索していく中で、パーソナライゼーションを取り入れることにしました。そこで、Mixpanelを利用することにしたのです。

Mixpanelでユーザーの行動を分析することで、視聴者がどんなデバイスで何を閲覧しているのかをデータで判明させることができました。そして、時間帯ごとの加入者の視聴ニーズを分析し、コンテンツのパーソナライゼーションを行いました。それぞれのユーザーのニーズにあったコンテンツを、データに基づいて提供することができました。

このようにしてCanal DigitalはMixpanelによりテレビのユーザー体験を改善することに成功しました。ユーザーデータに基づいた開発プロセスを実現することにも奏功し、ユーザーをより満足させられる体制を整えることができました。

パーソナライゼーションのツールやサービス

Mixpanel

Mixpanelは、ユーザーの行動を理解するための分析レポートを提供してくれるツールです。Mixpanelの機能を活用すると、プロダクトがどのように利用されているのか、どんなユーザーがプロダクトを利用しているのかといったことを簡単に見つけられます。プロダクトマネージャーやマーケターが分析をするサポートをしてくれるツールです。

Mixpanelのフロー(Flows)レポートで、重要ユーザーの行動へのトップパスを明らかにします。ユーザのパスによって、ユーザーセグメントを特定することができます。

Mixpanelを用いると単にユーザーの分析ができるだけではなく、それを元にしてコホート分析や、他社のツールと統合してパーソナライゼーションされたメッセージの送信なども行うことができます。

Optimizely

OptimizelyはABテストツールの一つで、パーソナライゼーションされた画面や機能をテストすることができます。これにより、最もパフォーマンスの良かったパーソナライゼーション戦略を、データドリブンに選ぶことができます。

またABテストの結果をMixpanelに送信すると、以下のようなことができるようになります:

  • Mixpanelでトラッキングしている指標に対して、テストパターンがどんな影響を及ぼしたか、直接Mixpanelから確認する
  • それぞれのテストパターンにおいて、Mixpanelでトラッキングしているデータがどんな数値だったのかを確認する
  • Mixpanel上のレポートで、Optimizelyのテストパターンに来訪したユーザーと、オリジナルパターンに来訪したユーザーでフィルタリングする

Mixpanelと連携させて利用することも可能で、連携することでABテストを効果的に実施することができます。

Marketo

Marketoはマーケティングオートメーションを中心に、メールマーケティング、広告管理、リード管理といったマーケティングに関する一連の機能を持ちます。マーケティングオートメーションとは、マーケティングにおける業務を自動化させることを意味します。

複数チャネルにまたがるキャンペーンを作成でき、効果の測定も行うことができます。メールやソーシャルメディア、デジタル広告などを活用した機能があるのが魅力です。

また、MarketoはMixpanelと連携することが可能です。連携させることで、Mixpanelで特定したコホートやセグメントに対して、パーソナライゼーションされたキャンペーンを行うことができ、ユーザー体験を向上することができます。