専門家に質問する:Tanmay Goel氏、サステナビリティを促進するためのユーザー行動の把握について語る - Mixpanel
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専門家に質問する:Tanmay Goel氏、サステナビリティを促進するためのユーザー行動の把握について語る

Last edited: 1月 3, 2022
Serene Ho

日本全国で毎日6,900万本ものペットボトルが消費されています。そうした背景から、プラスチックの使用を減らすことを目的とした社会的企業mymizuが設立されました。日本初の給水アプリである mymizu を使えば、ユーザーはびん詰め飲料を買う必要がなく、世界各地で約20万箇所の無料で給水できる場所で気軽に水が補給することを可能にします。結果的に廃棄物処理に関する問題を解決することに貢献します。

「専門家に質問する」シリーズの最新版では、mymizuのプロボノ(ボランティア)プロダクトリードであり、 Product Tank Tokyo コミュニティの主催者である Tanmay Goel 氏に、プロダクトビジョンの構築方法、アクティブ率を高める方法、スタートアップにとってデータと指標が重要な理由についてお話を伺いました。

mymizuはどのような行動をユーザーに取ってもらおうとしているのですか?

mymizuの設立者たちは、プラスチック廃棄物の主な発生源である使い捨てプラスチックの使用を減らしたいと考えていたので、水飲み場のような無料の給水場所に関するオープンソースの情報を使用して、給水できる場所の地図を作成し始めました。

そうした場所で私物の水筒やボトルに水を補給すれば、ペットボトルに入った水を買う必要がなくなり、プラスチック廃棄物を発生させない、という発想です。多くのカフェや家族経営のレストランが無料でお客様に水を提供している点に着目して、この発想をさらに押し進めることにしました。日本全国1,600以上の中小企業をmymizuのプラットフォームに組み込むことができました。

mymizuアプリは、ユーザーが給水スポットを見つけるのに役立ちます。これにより、サステナビリティを高めたい一般市民と、mymizuの運動を支援したいサプライヤーを結び付けることができます。

設立者のミッションをどのようにプロダクトビジョンに転換しましたか?

私が最初にしたのは、チームと率直な対話をして、ビジョンとそれを達成するためにプロダクトに関してすべきことを対応付けることでした。

たとえば、mymizuでは、日本のプラスチック廃棄物を削減し、持続可能な環境を作りたいと考えています。どこで水を補給できるか分かっているので、ペットボトルに入った水を買わなくても外出できる。アプリを通じて、このことを習慣化する必要があります。

そのために、プロダクトの観点から、習慣化を促すために、アプリの利用方法について考え始めました。ユーザーが習慣を構築するには、アプリが楽しくて常用癖を生むようなものである必要があることが明らかになりました。そこで、何人のユーザーが水を補給しているか、いくつ給水スポットがあるか、といったことを測定する必要があります。

そうしたことを決めたら、プロダクトに関する決定は容易になりました。どのような機能を開発する必要があるか、どのようにKPIを改善するかが分かりました。プロダクトビジョンは重要だと思います。なぜなら、整合させる対象があれば、より簡単に実行できるようになるからです。

この経験は規模の大きい営利企業との違いは何でしょうか?

規模の大きい営利企業での経験によると、指標は非常にビジネスを重視しています。数十年前に会社を立ち上げたときの当初のミッションに忠実であり続けるのは難しいかもしれません。

社会的ミッションを持つスタートアップであることから、大義に忠実であり続けることをより強く気に掛けています。ビジネス指標は重要であると思いますが、変化を生み出すことに焦点を当てれば、ビジネスチャンスは自ずとやってくるとも思います。このことは、これまでのところは上手くいっていますので、私たちの焦点は引き続き社会的ミッションになります。

一般に、スタートアップの設立時には、資金調達ラウンドを完了したときのように、大きくパワーアップする可能性があります。これにより、ミッションを達成することに焦点を当てることができます。ある時点で、最終的により規模の大きい企業に成長し、指標は変わります。なぜなら、ビジネスを拡大する代わりに、ビジネスを維持する必要があるからです。こうした指標の変化は、会社が成長する際に起きることです。

給水スポットの使用を習慣化するようユーザーを促すために、どのようなアプリ機能を開発しましたか?

当初、ユーザーは給水スポットを見つけたいときや、その日に給水したことを記録したいときにのみアプリを開いていました。ユーザーは、日常的にアプリを開く理由がないので、アプリのことを忘れてしまうのです。

ユーザーが毎日アプリを開く理由があるようにすることが必要だと思いました。そこで、「毎日のmizu」機能を作りました。この機能は、ユーザーが関心を持っているデータを表示します。水の日次目標を作成して追跡することができ、目標を連続して達成すると成功を収めることができます。つまり、体験をゲーム化するのです。どのようにサステナビリティ運動に貢献したか、どれくらいの二酸化炭素排出量を削減したか、どれくらいのお金を節約できたかも示します。

そうしたことは、デイリーアクティブユーザー数(DAU)を増やし、ユーザーに環境に良い習慣を構築させるのに役立ちました。10万本のペットボトルを節約するというマイルストーンに到達するまでに16か月かかりましたが、この機能を実装してからは、月に節約したペットボトルのコア指標はわずか3か月で400%増加しました。この機能を導入してから6か月以内に、45万以上の給水を達成しました。これは、150,500キロ以上の二酸化炭素排出量を削減し、約5,000万円以上節約したことになります。

今後の計画にはどのようなものがありますか?

給水スポットの地図は様々な方法で使用することができると考えています。たとえば、この地図は、サステナビリティについて同じ信念を持つカフェやレストランをユーザーが発見するのに最適なツールです。給水パートナーのネットワークを大幅に拡大したいと考えています。また、mymizuユーザーが地元企業に与える影響を追跡調査するために、ユーザーが給水スポットでどのようなやり取りをしているかに関するデータも収集し始めようと思っています。たとえば、特定のカフェを訪れるmymizuユーザーの数や買い物をしたりソーシャルメディアなどでシェアしたりすることでカフェをサポートしている人の数です。

パートナー企業が私たちのプラットフォームを利用しているのは、私たちのミッションを信じているからですが、mymizuユーザーの行動が追加のビジネス利益を上げるのに寄与することを示すことができれば、より多くのパートナーから協力を得ることができ、ミッションの達成に近づくことができると思います。

また、アプリのゲーミフィケーションも推進していきたいと考えています。サステナビリティを高める取り組みをしている場合、努力の結果がすぐ目に見える形で表れないことがあります。長期的な取り組みなのです。ユーザーには、継続利用を促す何かが必要です。そこで、給水スポットを追加したユーザーに報酬を与えるといったようなアプローチは、給水スポットを増やすことを目指すような指標を改善するのに役立つだけでなく、ユーザーによるサステナビリティへの取り組みを習慣化させるのにも役立ちます。

最後に、スタートアップがデータと指標について考えることはどれくらい重要ですか?

多くの設立者は、(当然ながら)会社を経営するのに忙しすぎて、プロダクトの利用状況を把握したり、インサイトをどのように活用できるかを見極めたりするために、データをじっくり分析する時間がありません。特にスタートアップが非常に短い期間に設立された場合、データやインサイトがどれくらい役立つか分からない場合があります。

プロダクトのイテレーションごとにデータがどれだけ大きな役割を果たすかをすぐに認識できないかもしれません。mymizuアプリは、デジタルのプロダクトです。自動車やテレビのように、組み立てて完成したら、それで終わりというものではありません。ユーザーの手元にある間でも、自由にプロダクトを改善することができます。ただ、何の準備もせずに突然改善することはできないということです。定性的なデータおよび定量的なデータを用いて、プロダクトを改善する方法を見極める必要があります。

また、作り出したいものが50あったら、それに優先順位を付ける必要があります。作り出すものすべてが成功するような天才的なセンスを持っている人などいません。これは、わずか5%のユーザーの問題を解決するだろうか?この5%のユーザーはビジネスにとってどれくらい重要か?主要なステークホルダーに話をするときに、考えや決定を裏付けるデータが必要になります。

Tanmay Goel氏について

Goel氏は優れたプロダクトを生み出すことに熱意を持っているプロダクトマネージャーです。インド出身のGoel氏は、香港に渡って研究を完成させた後、東京の楽天でのエキサイティングな仕事に就きました。

日本最大のプロダクトコミュニティであるProductTank Tokyoの主催者として、プロダクト管理コミュニティに積極的に貢献しています。Goel氏は、プロダクト、サステナビリティ技術、日本全般について話すために他者とつながることが大好きです。こちらからLinkedIn経由でGoel氏とつながることができます。