ユーザーセグメンテーション:お客様を理解するためのガイド
プロダクトの基盤

ユーザーセグメンテーション:お客様を理解するためのガイド

Christopher Gillespie

ユーザーセグメンテーションとは、一般的な特性(地域、年齢、端末、行動など)に基づいてユーザーをグループに分類する(バケット化する)方法のことです。セグメンテーションにより、ユーザーの特性や行動に基づいてより効果的に的を絞ることができるので、より顧客中心のアプローチを用いて各セグメントを扱うことができます(Viberのような企業は特定の行動に基づいてユーザーを理解します)。

顧客の81%は企業が自分たちのことをより良く理解することを望んでいて、マーケティング担当者の94%は顧客のことをより良く理解したいと思っています。また、プロダクトチームの48%は、最善の努力をしているにもかかわらず、ユーザーとそのカスタマージャーニーを十分に理解しているかどうか確信がありません。では、企業が顧客をより良く理解する必要性を明確に認識しているのであれば、なぜそうしようとしないのでしょうか?それは、ユーザーが何を望んでいるかを知るには、ツール、時間、そして最も重要となる、用意周到なセグメンテーションが必要だからです。

セグメンテーションを用いて、ユーザーが望むプロダクトエクスペリエンスを構築する方法を見てみましょう。

ユーザーをセグメント化する理由

ユーザーセグメンテーションにより、チームは価値のあるパワーユーザーを動機付けるものを見つけるとができるので、より多くのパワーユーザーを惹きつけることができます。

セグメンテーションがなければ、プロダクト開発は直感と推測に頼るものになり、チームは自分たちの努力が報われたかどうかを分析することができません。機能の利用が急増したのは、パワーユーザーの利用が増えたからなのか、それとも全ユーザーによる幅広い採用が進んだからなのか?チームには思い当たることがあるかもしれませんが、各ユーザーセグメントのデータを分析しなければ、はっきりしたことはわかりません。

 

 

企業がユーザーセグメントについて詳しく知ることができれば、ユーザーエクスペリエンスをパーソナライズできます。今日の顧客は直感的で使いやすいインターフェイスを期待しています。したがって、プロダクトチームはユーザーについてできるだけ多くのことを学び、プロダクトが万人向けに全ての機能を詰め込んだようなものにならないようにする必要があります。

分野ごとに記事が分類されていない昔の新聞を思い浮かべてください。 文化、スポーツ、外交問題の記事があちこちに散らばっています。野球ファンは昨日の試合の結果を真っ先に見ることはできません。その新聞は捨てて、もっとスポーツに的を絞った新聞を探すことになるでしょう。ウェブサイトやアプリでも同様の体験になります。ユーザーは、自分が好きなセクションや必要なセクションを素早く見つけたいと思っています。

プロダクトチームが、特定の機能やページがユーザーから共感・共鳴を得ている理由を知るには、観察するしかありません。 さまざまなユーザーセグメントの影響分析、またはさまざまなユーザーセグメントの実験やバリアントの分析を行うことで、チームは調査をスピードアップして、上手く機能していることを特定することができます。 また、ユーザーセグメンテーションにより、チームは、各セグメントの特性、行動、興味などを列挙したユーザープロフィールを作成することもできます。プロフィールを使用すると、プロダクトチームは、ユーザーを念頭に置いてプロダクトを開発または改善できます。

架空のフィットネスアプリのユーザープロフィールの例を以下に示します。

Fit Fiona

  • 人口統計学的属性: 女性、25~45歳
  • 心理学的属性: サイクリングクラスが大好き
  • 行動: アプリを週に5回以上使用する

この情報があれば、フィットネスアプリチームは、プロダクトアナリティクスを使用して 、頻繁に確認できるようにFit Fionaのユーザープロフィールに当てはまるユーザーのコホートを作成できます。新機能について考えるにあたって、チームは、このコホートに焦点を当てて、このコホートのユーザーが新しいリリースにどのように反応するかを測定できます。さまざまなコホートにスコアや重み付けを割り当てて、顧客生涯価値を確認して、マーケティングキャンペーンのROIを測定することもできます。

どのような顧客セグメンテーション戦略を使用できるか?

ユーザーをバケット化するのに使用される特性やデータに基づいて、ユーザーセグメンテーションは次のようなカテゴリーに分類することができます。

  • 人口統計学的データ:性別、年齢、言語、場所、婚姻状況、収入など
  • 心理学データ:ユーザーの興味、信条、関係、社会経済的地位など
  • 行動データ:ログイン頻度、プロダクトで費やす時間、エンゲージメントレベルなどのユーザーアクション
  • 企業データ:企業版の人口統計学的データ(創業からの年数、従業員数、売上、業界、所在地、ビジネスモデル(B2BまたはB2C)など)
  • 技術データ:企業が使用する技術(CRM、マーケティングシステム、ERPプロバイダーなど)

手元にどのようなデータがあるかによりますが、数多くの要素に基づいてユーザーをセグメント化できます。

  • 有料ユーザーと無料ユーザー: 有料ユーザーは、収益性が高いだけでなく、多くの場合、利用目的がはっきりしていてコミットメントレベルが高いので、無料ユーザーよりも維持しやすいです。セグメンテーションにより、チームは、有料ユーザーを維持することと、無料ユーザーを有料ユーザーに変換することに焦点を当てることができます。
  • 利用頻度: 利用頻度は、エンゲージメントの状態に基づいてユーザーをバケット化する優れた方法です。プロダクトを頻繁に利用するユーザーは、利用し続けるのに十分な価値を見出します。頻繁に利用するユーザーが気に入っている機能やコンテンツを新規ユーザーに紹介・提供することで、新規ユーザーはより早く価値を見出すことができます。
  • ウェブサイト/アプリで費やす時間: 通常、ユーザーがウェブサイトやアプリで多くの時間を費やしていることは、そのウェブサイトやアプリが価値を生み出していることを示す良い指標です。費やす時間に基づいてユーザーをセグメント化することで、チームは、どの機能、要素、コンテンツがより高いエンゲージメントと相関するかを見極めることができるため、利用を増やすことにつながる新しいアイデアを見つけやすくなります。
  • コンバージョン目標: コンバージョンに基づいてセグメント化することにより、利用登録/配信登録するユーザーとそうでないユーザーの違いや、商品・サービスを10回購入したユーザーと1回だけ購入したユーザーの違いを確認することができます。この情報は、最終的には、より多くのユーザーをより早くコンバージョンするのに使用できます。
  • 否定的な行動: すべてのユーザーの行動が肯定的であるとは限りません。お客様がチャーンしたり、ショッピングカートを放棄したり、プランをダウングレードしたりすることがあります。否定的な行動を取ったユーザーをセグメント化し、そうした行動の後に発生した事象(バグの発見や新しい機能のリリースなど)を分析することで、チームは、フリクション(摩擦)の原因を特定し、全体的なユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
  • アクティビティの欠如: アクティビティ(行動)の欠如も懸念材料となる可能性があります。セグメンテーションを通じて、ワークフロー内の重要なアクションを省略するユーザーや、有用な機能を十分に利用していないユーザーを特定して、エンゲージメントを妨げている原因を理解することで、そうしたユーザーがチャーンする前にエンゲージメントを高めることができます。

顧客セグメンテーションを行う方法

顧客セグメンテーションプロセスは、次の4つのステップで構成されています。

1.  ユーザーエンゲージメントを追跡する

顧客をセグメント化するには、各ユーザーのプロダクトの利用状況を追跡する方法を確立する必要があります。しかし、ユーザー全体を把握することがいつも簡単であるとは限りません。ほとんどのウェブサイトやアプリは、自動的に分析を行うようには構築されていないので、個々のユーザーとアプリを通じて辿るカスタマージャーニーを追跡することは困難です。ましてや、2つの異なるユーザーセグメントを比較することなどできません。

たとえば、メディアサイトでは、基本的なウェブアナリティクスを使用して、単にページにアクセスしたユーザー数と広告をクリックしたユーザー数を確認することはできるかもしれません。しかし、どのユーザーがどの行動を取ったのか?ユーザーは通常どのようなユーザーフローを辿るか?といったことはどうですか?利用登録/配信登録はしたが、戻ってこなかったユーザーだけを追跡して照準を当てるにはどうすればいいでしょうか?有意義なセグメント化をするには、メディアサイトは訪問者の特徴だけでなく、その行動によっても訪問者を選別する方法を確立する必要があります。

多くの場合、プロダクトアナリティクスツールを使用することが役に立ちます。たとえば、Mixpanelは、ウェブサイト、アプリ、またはその両方と統合して、ウェブサイトやアプリが決して取得することができない利用状況データを取得します。使いやすいインターフェイスが提供されるので、チームは、レポートを作成する、データを分析する、ファネルを追跡する、ユーザーセグメントを定義する、といったことすべてを1つのプラットフォームで行うことができます。

プロダクトアナリティクスを使用すると、このMixpanelシグナルレポートに示されているように、エンゲージメントの高いイベントを特定できます(画像をクリックするとデモレポートが開きます)。

2. ビジネス上の優先事項に基づいてセグメントを特定する

前述のように、セグメントはビジネス上の優先事項(エンゲージメントなど)に結び付いている場合にのみ役に立ちます。チームがユーザーにどのような行動を取ってもらいたいかわかっている場合、最初のいくつかのセグメントはおのずと見えてきます。

ユーザーに購入してもらうことが目標である場合、1番目のセグメントは購入したユーザーにすることができます。2番目のセグメントは、購入しなかったユーザーにすることができます。3番目のセグメントは、繰り返し購入したユーザーにすることができます。目標がアプリの利用を増やすことである場合、チームは、アプリ内で費やした時間に基づいてセグメント化して、パワーユーザーとたまに訪問するユーザーに分けることができます。

セグメントを定義するのにチームが使用することができる指標を以下に示します。

プロダクトアナリティクスプラットフォームを使用すると、チームは、より迅速にセグメントを作成できます。たとえば、Mixpanelは、チームが追跡する必要のある指標を把握できるように、ウェブサイトまたはアプリ内で発生するインタラクションを追跡して、最も頻繁に発生するイベントを特定します。

3. アナリティクスを使用してレポートを生成する

プロダクトアナリティクスツールを使用すると、チームは、さまざまなユーザーセグメントのレポートを作成、保存、共有して、各セグメントが重要な指標にどのような影響を与えるかを確認できます。チームは以下のことを行うためにレポートを生成することができます。

  • 有料ユーザーと無料ユーザーの利用を比較する
  • ソーシャルメディア経由で獲得したユーザーのリテンション率を測定する
  • 無料トライアル期間中に実行されたアクションのうち、ユーザーが購入に至る可能性が高いのがどれかを見極める。
  • 新しい機能のリリース後に利用が増えたかどうかを確認する

このMixpanelインサイトレポートは、チャネルとインテグレーションの機能が以前ほど頻繁に使用されていないことを示しています。つまり、顧客フィードバックとして注目すべき点です(画像をクリックするとデモレポートが開きます)。

4. セグメントに基づいて変更を加える

セグメント同士を比較したり、特定のセグメントをユーザー全体と比較したりすることで、チームは、プロダクトを改善するために、ロードマップに加える変更を特定するのに役立つ有意義な違いを確認できます。

たとえば、フィットネス関連のモバイルアプリの場合、最も価値のあるユーザーが、平均的なユーザーよりも頻繁にプロフィールの設定を行っていることが判明するかもしれません。そうした情報に基づいて、チームは、オンボーディングフローを変更して、すべての新規ユーザーが確実にプロフィールを設定するようにすることができます。

金融サービスのアプリの場合、セールスが創出したリード(見込み客)からコンバージョンしたユーザーが、セルフプロビジョニングしたリードよりも大きな顧客生涯価値を持っていることが判明するかもしれません。あるいは、ソーシャルメディアアプリの場合、モバイルアプリをダウンロードしたユーザーの定着度が2倍であることが判明し、モバイルユーザーを増やすためにウェブサイトにてモバイルアプリの利用を促すことができます。最終的には、セグメンテーションは、チームが優れたプロダクトを生み出すことを可能にするインサイトを導き出してくれます。

ユーザーのセグメント化を開始する準備ができましたか?

パーソナライズ化がプロダクトの長期的な成功の鍵となる場合、セグメンテーションは、ユーザーに必要なものを提供するための最良のツールの1つです。今こそ次のような質問をするときです:ユーザーは誰か、何を望んでいるのか、それをどのように提供することができるか?

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