成長性分析(Growth Analytics)とは?
成長性分析とは、事業目標に基づいてパフォーマンスを評価する、成長を測定する重要な指標を特定する、収益性に寄与する属性を見極める、といったことを行うために、ユーザーのアクイジション、コンバージョン、リテンション、およびセールスに関するデータを評価する手法のことです。
成長性分析と指標を使うべき理由
成長性指標を収集して分析することで、企業はコンバージョン(Conversion)、再訪(Repeat Visit)、カスタマーリテンション(Retention)、チャーン率(Churn)、その他の成長の要因を明確に理解することができます。成長性指標がないと、何が成長に影響を与えるかを知る決定的な手段がありません。なぜなら、顧客調査アンケートでさえ100%正確ではなく全体像を示してくれないからです。
成長性指標を追跡することは、過去の事象に関するインサイトを提供し、企業が望ましい方法で成長していくのに役立つ情報を収集することを補足するものです。成長性指標は、売上が増大しているか減少しているかということだけでなく、非常に多くのことを企業に教えてくれます。次のような価値のあるインサイトを提供してくれます:
- どのプロダクトまたはオファーが最も高い収益成長率を生み出すか
- どのチャネルが最も高いグロースポテンシャルをもたらすか
- 成長を妨げる脆弱な部分がどこか
- ビジネス全般がどの程度健全か
- 成長を遂げるためにどの高価値ユーザーコホートをターゲットにするか
- どの広告キャンペーンが最も多い新規ユーザーまたは最も高いリテンション率を実現するか
- どのキャンペーンが最良のROIを提供するか
どのようなインサイトを収集できるかは、企業の目標および追跡する成長性指標によって決まります。
プロダクトマネージャーが最も注視している指標は何か?
レポートを読む貴社が追跡すべき成長性指標
一企業が追跡できる指標は数百にのぼります。しかし、そうした指標の多くは、企業の成長にとって無意味です。
事業成長目標の達成に向けて測定可能な値を直接的または間接的に示す指標は追跡する価値があります。そうした指標のことを重要業績評価指標(KPI)と呼んでいます。確実に分析したい成長性指標には次のようなものがあります:
収益創出
これは最も基本的な成長性指標ですが、注意して見ておく価値のあるものです。理想は、毎年収益が増すことです。収益が期待を下回っている場合、指導部の人たちは売上を増大させるために何を変更できるかを掘り下げて調べる必要があります。適切なユーザーをターゲットにしているか?セールスファネル内の適切な時期にメッセージが届いているか?料金設定を変える必要があるか?
見込み客獲得単価(CPL)
1件のリードを獲得するのにどれくらいの費用がかかるか?そのコストはコンバージョン率に見合うものか?見込み客獲得単価を得るには、マーケティング・広告コストを一定期間中に創出されたリードの数で割ります。理想は、キャンペーンの効果が出始めるにつれてアクイジションコストが減少して最適化することです。
顧客獲得単価(CPC)
顧客獲得単価を分析することで、より深く掘り下げることができます。見込み客とコンバージョンを考慮に入れます。コンバージョン率が5%である場合、% i顧客1人を獲得するのに20人の見込み客が必要となります。見込み客1人を創出するのに5ドルかかると仮定すると、顧客獲得単価は100ドルになります。ここでの目標は、顧客の価値(いくら購入または利用するか)が出来るだけアクイジションコストより高くなるようにすることです。
1ユーザーあたりの平均売上(ARPU)
総収益をユーザー数で割るとARPUを得られます。どのユーザータイプが最も多く収益を創出するかを見極めるには、コホート別にこの指標を分析するようにします。
リテンション
獲得した顧客を維持することが出来ているか?新しい見込み客をコンバージョンにつなげるよりも既存客を維持することの方がずっと費用対効果が高いです。OutboundEngineの調査によると、新規客を獲得することは、既存客を維持することより5倍コストがかかることが分かっています。リテンション率を5%上げるだけで% c、利益を最大95%高めることができます。また、リテンション率は成長率に長期的な影響を及ぼす顧客ロイヤリティの強さも示します。
アップセル
増収がセールスチームのアップセル能力にかかっている場合があります。アップセル指標は、収益や見込み客獲得単価を高める機会を逃しているかどうかを教えてくれます。
年間経常収益(ARR)
毎年決まって月ごとに発生する収益のことです。
コンバージョン率
コンバージョンにつながる見込み客または特定のアクションを取る見込み客の数のことです。この指標は、会社の目標やコンバージョンの定義によって大きく異なります。コンバージョン率が低い場合、質の高い見込み客が足りない、ランディングページのメッセージングが的外れである、セールスチームのアプローチが適切でない、その他多くの要因が考えられます。この指標は、どこを改善すべきかを見極めるのに役立ちます。
アクティブユーザー (Active User)
多くの企業にとって、ユーザー基盤は非常に重要な成長性指標であり、ユーザー指標のどれよりも洞察に満ちていることがあります。どのユーザーをアクティブユーザーと見なすかを明確に定義する必要があります。追跡する価値がある2つの指標は、ディリーアクティブユーザー(DAU)とマンスリーアクティブユーザー(MAU)です。
チャーン率 (Churn Rate)
チャーン率とは、一定期間に離脱するユーザーまたは顧客の数、あるいはユーザー/顧客のドロップオフが原因で失った収益額を指します。この指標については、上昇して欲しくありません。上昇した場合は即座に対応する必要があります。
次のステップを踏む:成長性分析ツールを実装する
単にデータを観察するだけでは不十分です。成長性指標が決まったら、データを十分に利用すべきです。インサイトを明らかにするレポートを作成したり、その情報を利用して将来の成長に向けて計画を立てたりしない限り、成長性指標は単なる「数字の集まり」でしかありません。
成長性指標の基本は次のようなものです:
- すべてのチャネルにわたるユーザー/カスタマーデータを追跡する
- データを1つのレポート/ソースにまとめて、すべてのチームメンバーがアクセスできるようにする
- ユーザーデータをコホート、チャネル、デバイス、行動ごとに細分化する
- 指標に基づいて、目標を設定して、キャンペーンやファネルなどを調整する
- 目標を継続して測定、分析、調整する
成長性指標システムを自社で開発するか、サードパーティソリューションを使用するか?
フォーチュン100社のうち30% 社を含む、数千の企業と協働してきた実績のある当社からすると、アナリティクスに精通した企業のサードパーティソリューションを使用することで最大のメリットを得られることが多いと断言することができます。すぐにグロースプロジェクトマネージャーは、成長性指標が正確で実行可能なものであることを分かるようになります。
しっかりとしたサードパーティアナリティクスプラットフォームは次のようなことを行います:
- リアルタイムにて全チャネルにわたるデータ収集を簡素化する
- 主要成長性指標が変化したらアラートを送信する
- 成長が最も大きい領域と最も小さい領域を特定する
- 最も大きな成長を生み出すアクイジションソースを確定する
- 成長の要因を試す実験の機会を明らかにする
どの経路を企業が選んでも、最も重要なことは、成長性指標を利用して、成長し続ける方法についての価値のあるインサイトを得ることです。
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