アプリにおける良いリテンション率とは?

アプリにおける良いリテンション率の定義は、アプリの業界、ユーザーベース、ビジネスモデル、リテンションの定義によって異なります。リテンションをサブスクリプションの継続利用と定義しているアプリもあれば、1回限りの訪問または購入と定義しているアプリもあります。プロダクトチームは、各自のリテンション率を業界内の同等企業と比較すべきです。例えば、EC業界では、33%のリテンション率は優れているとみなされます。

アプリにおける良いリテンション率を定義する方法

リテンション率を比較するのは難しい場合があります。通常、リテンション率は、あるアクションを取った後に、後続のアクションを取りに回帰したユーザーを測定してパーセントにて表したものです。各企業によって「アクション」の定義は異なります。

顧客のリテンション率:

(期間最後における顧客の数 – 期間中に獲得した顧客の数) / (期間当初における顧客の数) x 100 = リテンション率

例えば、期間最後における顧客の数が150人、期間当初における顧客の数が124人、期間中に30人を獲得した場合、 次のような計算になります:

((150-30) / 124) x 100 = 97% のリテンション率

EC企業では、アクションをリピート購入と定義しているかもしれません。ソーシャルメディアアプリではリピートログインと定義し、ニュースアプリではサブスクリプションの更新として測定するかもしれません。これらの定義を比較することはできません。同じような顧客ベースを持つ同じ業界内の2つのアプリでさえ、リテンション率を異なる方法で測定する場合があります。アプリにおける「良い」リテンション率の定義を経験的に検証できる方法は、プロダクトチームが各自の過去の実績値と比較することです。一般的なベンチマークとして、Mixpanelでは、500億のイベントを引き起こした13億人のユーザーの行動について調査を実施しました。金融、SaaS、EC、メディアといった業界について、次のような数値を計算しました。平均的なアプリのリテンション率(50パーセンタイル):

Retention graph

2017 Mixpanel Product Benchmarks Reportよりの業界別の週間リテンション率。

EC業界は、SaaS、メディア、金融に比べて、リテンション率が最も低かったですが、どの業界も第1週から第2週にかけて同様に低下しています。 優れたアプリのリテンション率(90パーセンタイル):

Elite app retention chart

2017 Mixpanel Product Benchmarks Reportよりの業界別の優れたアプリのリテンション率。

リテンション率が高い企業は、第1週と第2週の間に同様の低下がみられるものの、その度合いはずっと小さいです。ただし、この調査での「平均的」という広義の意味は、誤解を招く可能性があります。 それぞれの会社内でも、リテンション率はプラットフォームによって異なります。例えば、Mixpanelでは、平均的なモバイルアプリのリテンション率が41.5%であるのに対して、ウェブサイトのそれは10.3%でした。ここで関係するのが、生存バイアス効果です。つまり、アプリをダウンロードするよりもウェブサイトを訪問する方が簡単なので、わざわざアプリをダウンロードした人の方がウェブサイト を訪問する人よりもリテンションが容易であるということです。リテンションを正確に測定するには、チームは様々なプラットフォームとオペレーティングシステムを区別できるプロダクトアナリティクスが必要になります。プロダクトアナリティクスなしでは、プロダクトチームはリテンション率に関する疑問の真相を究明したり、特定のプラットフォームやユーザーコホートに対して妥当なリテンション目標を設定したりすることができません。

リテンション率を高めることが重要な理由

多くの企業は、リテンション率の向上よりも新規ユーザーアクイジション率を重要視します。アクイジション率はプレスの注目を集める派手な指標でありSnap, Inc. FacebookTwitterといった上場しているアプリ企業の株価を上げるのに寄与します。しかし、同じように総力を挙げて新規ユーザーをつなぎとめる努力をしない限り、労力、資金、リソースを湯水のごとく使って無駄にすることになります。新規ユーザーを獲得するよりも、ユーザーを維持する方法を探る方がはるかに安価であることは、Harvard Business Reviewの記事で分かっています。より多くのユーザーを維持する企業は、各ユーザーのライフ タイム バリュー(LTV)を引き下げることになる広告コストやマーケティング/アクイジションコストを節約できます。Bain & Companyが実施した調査によると、企業はリテンション率を5%高めるだけで収益を25~95%高めることができています。 長期間つなぎとめることができているアプリユーザーは、収益性および安定性が高く、プロダクトを他者に推奨する可能性が高いため、リテンションを向上させるために投資することは賢明な策といえます。

アプリのリテンション率に影響を与える要因はたくさんありますが、ほとんどの会社にとっては、ユーザーがプロダクトに価値を見出すかどうかが重要となります。生活を便利にしてくれるか?それなしでは生きていけない有用性を提供するか?あまりに興味をそそるアプリなので使うのをやめられないか?リテンション率を高めるには、プロダクトチームはユーザーがプロダクトのどの点に価値を見出しているかを理解して、同じようなユーザー体験をより多く提供しなければなりません。通常、コンシューマー向けアプリはカスタマーチャーンと呼ばれる高いユーザー喪失に悩みます。これは、ユーザーには多くの選択肢があるためです。ユーザーがサブスクリプション期間に縛られることが多いB2B向けアプリと異なり、コンシューマー向けアプリのユーザーは誘因がほとんどなくてもチャーンすることがあります成功を収めた企業は、指標を追跡して顧客リサーチを分析することでチャーンの抑制に努めます。ユーザーインタビュー、ユーザー調査、ユーザーテストなどを実施してユーザージャーニーをスムーズなものにし、プロダクトアナリティクスを使用して価値を提供していることを確認するためにLifetime Value: LTV(顧客生涯価値)、Daily Active Users: DAU(1日あたりのサービス利用者)、Average Revenue Per User: ARPU(1ユーザーあたりの平均的売り上げ)といった様々な指標を測定します。プロダクトアナリティクスを使用することで、プロダクトチームは次のようなことができます:

  • ユーザーを自動的に追跡する
  • 発生した問題に関するアラートを受け取る
  • より深いユーザーインサイト見つける

プロダクトアナリティクスは、カスタマージャーニーの各段階を自動化することで、ユーザーのリテンション率を高める効果をもたらします。ユーザーは自分が必要とするものをアプリに見出せるとは限りません。プロダクトチームが一人ひとりのユーザーを導くことはできませんが、プロダクトアナリティクスならできます。アナリティクスは、ユーザーのエンゲージメントを高めるために利用を促すメッセージを自動的に送信する、ユーザーをコホートに細分化する、チュートリアルを提供する、リテンション率を最大化する、といったことを行うことができます。

アプリにおけるリテンション率を高めるには?

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