会社
日本における「Buy Now Pay Later(あと払い)決済」サービス業界のパイオニアかつリーダーであるPaidyは、購入/決済体験における障壁を取り除いて、ユーザーがまとめて翌月に支払うことを可能にします。Amazon.co.jp、Apple、DMM.com、BicCameraを含む、多くのトップECサイトで使用することができます。
ユーザーは、メールアドレスや電話番号だけでサービスに簡単にサインアップすることができ、ストレスなく毎月の請求金額を支払うことができます。支払い方法は口座振替、銀行振込、またはコンビニ払いを選ぶことができます。
本人確認プロセス(「Know Your Customer」またはKYCプロセス)を行うことで、ユーザーはペイディプラスにアップグレードすることもできます。分割手数料無料やどこでもペイディ (Visaを受け入れる加盟店で決済方法としてペイディを使用できるようにするもの)といった追加の特典を受けることができます 。
課題
デジタルファースト企業として、Paidyは、重要なユーザーのフローを継続的に改良・改善できるように、ユーザー行動データにアクセスすることが極めて重要であることを早い段階で理解していました。そのビジネスの性質を考えると、本人確認プロセスを最適化することが特に重要でした。ユーザーの本人確認が行われると、Paidyは、各ユーザーの信用状況をより正確に評価し、信用リスクをより適切に管理できるようになります。
また、Paidyは、常にユーザーに新しい機能やサービスを提供する機会を探しています。つまり、ウェブサイトやアプリのフロントエンドデータならびにパートナー企業からのサードパーティデータなど、複数の情報源からのデータを分析する必要があります。
バックエンドデータを分析して財務指標を追跡することは可能でしたが、コンバージョンやドロップオフに関する質問に答えられるようにすることが、ビジネスの長期的な成長にとって重要であることを認識していました。
ソリューション
Paidyチームは、Mixpanelのプロダクトアナリティクスを活用して、ユーザーフローやコンバージョンに関する質問の答えを見つけることにしました。フロントエンドデザインチームのシンプルなユースケースから始まりましたが、今では、Mixpanelは、PaidyがKYCプロセスのような重要なユーザーのフローに関するインサイトを得る重要な手段の1つとなっています。
「KYCの流れはシンプルです。KYCプロセスを説明した後で、ユーザーに書類の写真や顔写真を撮影してもらいます(ペイディアプリにアップロードされます)。次に、ユーザーは、申込書を送信する前に、「外国PEPs(重要な公的地位にある者)」かどうかを確認するよう求められます。その後、Paidyが情報を確認し、申込書を承認または拒否します」とPaidyのプラットフォームアーキテクト、Rafal Rawicki氏は説明します。
Mixpanelのファネルレポートを使用すると、Paidyチームはフリクションポイントを簡単に特定し、プロセスを最適化するための措置を講じることができます。
「これにより、何を変更する必要があるかが分かるようになります。たとえば、約3%のユーザーが誤って自分を外国PEPsとしてマークしているため、申込書が却下される原因になっていることに気付いたのです。KYCプロセスを完了することを1つの要件とする多くの追加サービスがあるため、より多くのユーザーがこのフローを完了することは、アップセルを可能にする重要な要素となります」とRawicki氏は述べています。
また、KYCプロセスで使用できる書類の一覧がユーザーに提示されたときに大きなドロップオフが発生したという興味深い発見をしました。
「私たちの仮説は、ユーザーはプロセスを完了したいと思っているが、手元に必要な書類がないのでプロセスを完了できない。そのため、その日の別の時間に書類提
この発見により、ファネルからドロップしたユーザーに新しいプッシュ通知を送付するなど、デザインとオンボーディングプロセスを改善するためのヒントを得ることができました。
現在、Paidyは、Mixpanelを利用して、ほとんどのユーザーフローのコンバージョンを分析しています。また、指標における変化は、ユーザーがプロダクトを正常に操作できているかどうか、あるいは何か問題があるかどうかを見極めるのに役立ちます。
このプラットフォームの活用範囲は、フロントエンドデザインチームからマーケティングチームとそのアナリストにまで広がりました。
また、Paidyチームは、検索キーワードや検索後のユーザーの行動など、ショッピングタブやインスピレーションタブなどの新機能の採用や使用についても調べました。検索後のユーザーの行動は、検索結果がユーザーが探しているものを見つけるのに役立ったかどうかを見極めるのに使用されます。
インテグレーションを活用してインサイトの質を向上させる
Paidyがサービス内容を拡充していくに伴い、Rawicki氏はMixpanelを含むすべてのツールをより広範なデータスタックに統合する必要があると考えます。
「データは、当社が選択を行えるようにしたり、ビジネスの改善をいつする必要があるかを特定したりするのに極めて重要です。 これはPaidyの誰もが理解していることです。 サービス内容を拡充する必要性が高まるに伴い、データソースの数も増えます。そこで、私たちの技術スタック内のすべてが相互に上手く統合するようにしたいのです」とRawicki氏は説明します。
スタックの重要なコンポーネントとして、MixpanelはOneSignal(プッシュ通知)やAppsflyer(モバイルアトリビューション)と統合されており、Paidyにとって、より良い、より完全な顧客インサイトを得るのに役立ちます。
「私たちは、スタック内のツールが互いに統合する方法を継続的に改善しており、組織が成長・拡大するにつれてより多くのデータソースを統合する計画を持っています」とRawicki氏は述べています。
また、Paidyは、プロダクトの変更が与える影響を追跡し、指標が間違った方向に向かっているときにチームにアラートを送付するなど、Mixpanelの活用範囲を広げていくことを検討しています。
アドバイス
Paidyの総合的なデータとアナリティクススタック、データガバナンス、およびプロダクト機能要件の担当者として、Rawicki氏は、次のようにアドバイスしています。
「 私たちは、最初からデータに取り組むことが重要であることを学びました。最初から指標を確立・設定することは非常に有益です。後で指標を検討して導入するのは簡単に思えるかもしれませんが、最初に指標を確立・設定しておかないと、ステークホルダーに意思決定を促して変化を起こそうという気持ちにさせることが難しくなります」