リテンションとは?その意味と、リテンション率をあげるマーケティング施策 | Mixpanel
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リテンションとは?その意味と、リテンション率をあげるマーケティング施策

Serene Ho

リテンション/リテンション率とは?

リテンションとは、新規ユーザーが、どのくらいプロダクトを再び利用してくれているのかを示す指標のことです。企業の収益性を改善するために、非常に重要な指標と言われています。ユーザーのリテンションは、プロダクト・マーケット・フィットを実現し、長期的にビジネスを成長させるために非常に重要な指標です。

またリテンション率は、特定の期間において期間初期にいた合計ユーザー数を、期間の終わりに残っていたユーザー数で割った割合のことを指します。たとえば、あるスポーツジムの会員のリテンションを8/1から8/31までの期間で見たときに、8/1に500人会員がおり、8/31に475人いた場合には、475/500=0.95で、95%のリテンション率だったと言えます。

なお、ここで説明しているリテンションはマーケティングにおける用語ですが、会社における従業員の維持という文脈でもリテンションという単語は使われています。

リテンションが重要な理由

ユーザー獲得に関する指標は刺激的でわかりやすく、経営陣から投資家まで、すべての人が創業初期の頃に注目する指標です。

しかし、なぜ顧客が定着するのかを把握しないまま新規ユーザーの増加に焦点を当てすぎると、貴重なリソースを浪費し、顧客のリテンションを改善する重要な指標を見逃してしまう可能性があります。マーケティングチームが新規ユーザー獲得に多額の費用をかけても、すぐにユーザーが離脱してしまう場合、そのユーザーの顧客生涯価値(LTV)は獲得コストよりも低くなっている可能性があります。LTVよりも高い獲得費用がかかってしまっている場合、そのアプリはビジネスを存続することはできないでしょう。

プロダクトチームは、より多くのユーザーをリテンションさせる(維持させる)方法をよりよく理解し、次のような質問に答えるために、リテンション分析を行う必要があります。

  • 各ペルソナはどれくらいの期間、アプリを利用しているのか?
  • 新規ユーザーが再びプロダクトにアクセスするまでに、どのくらいの時間がかかるのか?
  • 最近リリースしたアップデートは、より多くのユーザーの再訪問につながったか?
  • どのようなアップデートがリテンションにマイナスの影響を与えたか?
  • どのようなアップデートがリテンションを向上させることに寄与するか?
  • 解約率はどの程度か?

これらの質問に答え、リテンションを高めることで、漏れたリテンションのバケツの穴をふさぎ、プロダクトをより収益性の高いものにすることができるのです。

リテンションを計測し、計算する

リテンション率とは、ある一定期間の後でも、まだ使い続けてくれている顧客の割合のことを示します。これはすなわち、”あるユーザーが何らかの行動を行い、離脱し、その後戻ってきてまた別の行動をとったか?”という質問を問うものです。もしイエスなら、そのユーザーはリテンションしています。そうでなければ、ユーザーは離脱したということです。

このようにリテンションを利用していくためには、以下の3つのことを定義する必要があります。

リテンションと定義できる行動を特定する

デフォルトでは、ほとんどの企業が「ユーザーの行動」を非常に大まかに定義しており、単にプラットフォームを開くことも含めて、ユーザーがプラットフォーム内で行うあらゆるイベントを「ユーザーの行動」と呼んでいます。会社によっては、ユーザーが再び訪問する可能性を正確に把握するために、購入、サインアップ、プロフィール作成、共有など、ビジネスにとって価値のあるイベントのみを行動とみなすよう定義を厳しくしているところもあります。

リテンションを測定する期間を決める

次に、プロダクトチームは、リテンションを測定する期間を決定する必要があります。多くの消費者向けアプリでは、1日、1週間、2週間など、いくつかの期間を追跡することが一般的です。プロダクトチームは、リピーターの減少が見られる場所に基づいて、期間の長さを決定する必要があります。例えば、Mixpanelの調査によると、業界によりますが、ほとんどのアプリやソフトウェアの8週間後のリテンション率は6~20%です。この範囲にあるプロダクトチームは、このポイントから逆算する必要があります。一般的には、ユーザーの割合が、そのユーザーが生み出す収益が、期間の初めに獲得したこれらすべてのユーザーの獲得コストをカバーするポイントを下回るところです。

その期間で、どんなアクションが実行されたらリテンションといえるのかを決める

最後に、プロダクトチームは、閾値(しきい値)を1アクション、3アクション、または支払いやプレミアムユーザーへの転換などの価値のあるアクションの組み合わせのいずれかにする必要があります。これらの項目があれば、リテンションを計算できます。以下は、リテンションレートの計算式の例です。

つまり、期間開始時に100人の顧客がいて、過去14日間にアクションを起こしたのが27人だった場合、リテンション率は27パーセントです。プロダクト分析プラットフォームを使用するプロダクトチームは、ソフトウェアがリテンション率を計算し、分かりやすいダッシュボードに落とし込んでくれることに気づくでしょう。下の図は、2週間の毎日のリテンションレートの例です。リテンションレートを把握したプロダクトチームは、何が良いリテンションレートを構成するのかを判断できます。

顧客のリテンションを高める6つの施策

顧客体験を改善する

ガートナーによると、現在、89%の企業が、主に顧客体験を通じて顧客をリテンションさせたいと考えています。つまり、スムーズでシンプル、かつ楽しい購買体験を提供しながら、顧客価値を提供することが求められているのです。顧客体験を向上させるには、顧客からのフィードバックやデータ、インタビューをもとに、プロダクトの開発やデザイン、サービス提供のプロセス、ブランド認知のされ方などを検討する必要があります。多くの企業で、プロダクトを分析することで、プロダクトデータに基づいた戦略を練ることができます。

カスタマーサポートに投資する

顧客は、問題が発生したときに、あなたのプロダクトを厳しく評価します。そのため、多くの企業がより良いカスタマーサービスを提供するようにリソースを振り向け、顧客のリテンションを高める努力をしています。

リテンションを自発的に高める

顧客が満足するよう積極的に働きかけることで、潜在的な離脱要因に先手を打ちます。この活動は、自動化された方法でも、カスタマー・サクセス・チームを通じてでも行うことができます。企業によっては、割引や特典、追加サービスなどを提供する「サプライズ&ディライト」キャンペーンを実施し、好感度を高めています。

顧客の幸福度を計測する

顧客の幸福度は、顧客維持率と正の相関があります。多くの企業は、CSATやNPSなど、顧客維持を予測するスコアを測定することで、現在どの顧客が満足しているのかを判断しています。スコアが低ければ、プロダクトマーケティングやカスタマー・サクセス・チームは、問題を起こしている機能をすぐに修正し、顧客が不満を持ったとしてもリテンションするよう力を注ぐことができます。

顧客と関係をつくる

あなたのビジネスと個人的なつながりを感じた顧客は、より長く滞在する可能性が高くなります。企業は、ストーリーテリング、ソーシャルメディア上の交流、イベント、パートナーシップ、アカウントリレーションシップなどを通じて、顧客との関係を育むことを選択できます。

ロイヤルティプログラムを始める

顧客ロイヤルティプログラムは、顧客維持に劇的な影響を与えることがデータで示されています。Temkin Groupによると、ロイヤルティの高い顧客は、再び購買する確率が5倍、ミスを許す確率が5倍、新しい商品を試す確率が7倍、他の顧客を紹介する確率が4倍高くなることが分かっています。ロイヤルティプログラムは、Amazonプライムや航空会社のマイレージプログラムのように、割引を受けることができる会員制の形態をとることが多いです。

リテンションの業界平均値

リテンションを評価する際には、自社に対する評価と、他社に対する評価の2つの種類があります。毎週、毎月、自分たちのパフォーマンスを確認し、比較して測定することをリテンション分析と言います。

例えば、リテンションが下降傾向にある場合、いち早く察知して原因を究明できます。リテンションが上昇している場合、それに関連する機能アップデート、マーケティングキャンペーン、コホート行動などを切り分け、上昇要因となったアクションをより活用していくように意思決定できます。他社に対するリテンションを測定するには、プロダクトチームは競合他社の統計データが必要ですが、これは一般的に公開されていません。

他社に対するリテンションを測定するには、プロダクトチームは競合他社の統計データが必要ですが、これは一般的に公開されていません。Mixpanelのプロダクトベンチマークレポートでは、世界中にいる12億人以上のMixpanelで計測している各ユーザーが起こした780億回のイベントデータを、匿名にして分析したものです。たとえば、レポートではモバイルアプリの場合、30日間の平均リテンションは7%と出ています。

業界別の週次リテンション率

メディア業界のプロダクトでは、7日間の平均リテンションレートは11%です。金融業界では、7日間のリテンションは8%が平均とされています。

業界別のトップクラスの週次リテンション率

業界のリテンションベンチマークを自社のリテンション率の目安にし、同時に自社ビジネスの実態に応じて調整します。たとえばネットバンキングアプリなど、ユーティリティサービスを提供している場合はベンチマークを高くし、ユーザーが頻繁にアクセスする必要がない場合は低くするなど、さまざまな方法で調整できます。こういった点を考慮しながら、時間の経過とともに変化するリテンションの傾向に基づいて、適切なリテンション率を設定できます。

さいごに

どんな顧客の行動がリテンションと言えるのかを特定することのみならず、それを測定し、計算するなど、リテンションの把握と分析は容易なことではありません。もし自社で把握する仕組みを作ったとしても、誰もがいつでもリテンションの状態を確認できる状態にすることは簡単ではないでしょう。

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