North Star Metric(ノーススターメトリック)とは?事例とともに紹介 | Mixpanel
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North Star Metric(ノーススターメトリック)とは?事例とともに紹介

Serene Ho

Mixpanelのプロダクトメトリクスフレームワークや North Star Metric (ノーススターメトリック)など、さまざまなメトリックフレームワークがあります。North Star Metric (ノーススターメトリック)とは、企業が長期的に見て業績がどうなっているのを示す指標のことを指します。ノーススターメトリックに選ばれる指標は、売上につながるもので、顧客に提供している価値を表し、計測ができる指標である必要があります。

ノーススターメトリックが重要な理由

一つの目標に集中し、チームを団結させることができる

ノーススターメトリックを活用することで、会社の従業員全員が1つの目標に集中できます。世界中にあるデータの90%は、過去数年間の間に生まれたものと言われており、さまざまなデータ分析ができてしまいます。これが要因となって、部門、チーム、さらにはチームメンバー個人までもが、バラバラに指標を改善しようとしてしまう、ということが起きます。各チームでバラバラの目標を設定してしまうと、チーム同士での対立や、同じことを別々のチームがやってしまうなどといったことが起きてしまいます。

戦略をシンプルにし、コミュニケーションコストを削減する

スタートアップ企業の投資家であるショーン・エリスが「ノーススターメトリック」という言葉を使い始めた時、彼の中には、管理業務を減らし、会議をシンプルにし、成長に向けた一つの目標に向かってチームが連携できるようにするという意図がありました。ノーススター(北極星)は、実際には地球の北極の真上にある星の通称ですが、これは言葉の意味をうまく表現するために北極星をなぞらえた、修辞的なものです。複雑なビジネスモデルを持つ企業は、複数のノーススターメトリックを持つこともあり、どのノーススターメトリックも、いずれにせよ、サブ指標で構成されています。文字通り、すべての指標を捨てて、経常利益のようなたった一つの指標にこだわる企業は、ほぼ間違いなく失敗するでしょう。ノーススターメトリックは、簡単に言えば、会社全体の戦略をメンバーの誰もが覚えられ、理解でき、(日々の業務に)利用できる、シンプルな言葉にするための試みなのです。

ノーススターメトリック、KGI、KPIの違い

ノーススターメトリックとよく混同される概念として、KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)があります。KGIは売上や収益など、企業が最終的に重要視する売上に関する指標で、KPIはユーザー数など、売上に関わらないけれども事業運営上、重要な指標を指します。

ノーススターメトリックは、KGIとKPIの間に位置するものと言えるでしょう。すなわち、事業全体の要となる数値指標であり、売上や収益に大きな影響を与える指標です。各KPIを改善することでノーススターメトリックが改善され、ノーススターメトリックが改善されることで売上や収益(すなわちKGI)が改善されるつながりができていることが望ましいと言えるでしょう。

ノーススターメトリックの仕組み

日常業務において、チームメンバーが個人のレベルで説明責任とオーナーシップを持てるように、ノーススターメトリックは、より小さな指標に分解されます。この小さな指標(サブ指標)は、各チームそれぞれに特有で、チームが完遂できるものであることが多いです。そのためチームメンバー各自が、ノーススターメトリックと、日々の業務の関連性を明確に感じながら業務をこなすことができます。

たとえば、あるeコマース企業が「週次の新規購入顧客数」というノーススターメトリックを設定しているとします。その会社の商品バイヤーは、担当カテゴリーの売上を伸ばすことでその親目標に貢献し、ウェブ開発者はページのロード時間を短縮することで貢献します。どちらも、それぞれの方法で貢献するのです。ノーススターメトリックは、カスタマージャーニーを反映しており、ユーザーのジャーニーがちゃんと成功したかどうかを示すものである必要があります。eコマース企業の場合、購入数を計測するということは、購入者が(購入に至るまでの)ジャーニーを完了した回数を計測するということでもあります。またジャーニーの各ポイント(商品の発見や閲覧、チェックアウト)を改善することで、顧客がジャーニーを完了するスピードをあげることができ、より多くの収益を上げることにつながります。

ノーススターメトリックの例

ECサイト(楽天、Amazonなど)

  • 初めて注文した週次新規顧客数
  • 1日の購入額
  • 顧客生涯価値(CLTV)

コンシューマーテクノロジー(LINEなど)

  • デイリーアクティブユーザー数(DAU)
  • 1日あたりのメッセージ送信数
  • リテンション

 

B2B SaaS(Salesforceなど)

  • 最初の1週間で3人以上のユーザーが利用しているトライアルのアカウント数
  • 2年目の継続率
  • 月次経常収益(Monthly Recurring Revenue, MRR)

メディア(Netflixなど)

  • 会員登録数とリテンション
  • デイリーアクティブユーザー数 (DAU)
  • 閲覧時間
  • 視聴時間

フィンテック(PayPayなど)

  • 運用資産総額
  • デイリーアクティブユーザー数 (DAU)

ノーススターメトリックの決め方

ノーススターメトリックを見つけるために、企業は、何がビジネスにとって本当に必要なことなのかを考え、判断しなければなりません。

ビジネスは複雑で、さまざまな場面で成功したり、失敗したりします。しかし、事業にとってもっとも重要な柱は何でしょうか。もし、その柱が倒れたりしたら、会社全体がダメになってしまうようなものはなんでしょうか?

多くの会社にとって、それは顧客を満足させ、利益を生み出すこと、そしてその目標に対する進捗(しんちょく)を測定することでしょう。しかし、顧客を満足させることなく、単にお金を稼ぐだけの指標だと長期的には失敗してしまいます。顧客を満足させているのに利益を出そうとしない企業も同様です。

またチームメンバーが(指標から得られる)洞察に基づいた行動をとれるように、そして必要であれば行動を変えることができるように、進捗(しんちょく)を測定できる指標でないと役に立ちません。

ノーススターメトリックは、それぞれのビジネスに合わせて、これらの要素すべてを反映したものでなければなりません。

ビジネスにとって本当に必要なものは何かを見極める

ビジネスにとって、最も重要と言えることはなんでしょうか。事業上これがないとビジネスが傾く、と考えられることをあげてリストを作成し、そのリストの中で優先順位をつけます。たとえばメディアビジネスなら、「会員(購読者)がいること」がリストに入れられるでしょう。

重要な要素を測定する、上位のKPIや指標を特定する

優先順位をつけたリストを見て、それぞれの項目の状態を示す指標をあげていきます。たとえばメディアビジネスで、「会員(購読者)がいること」がリストにある場合、購読者数や閲覧数などが考えられます。

上記のすべてを包含する指標は何かを確認する

指標を特定したら、それぞれの指標をまとめて包含する指標として、どんなものがあげられるのかをあげていきます。

たとえばメディアビジネスの例であれば、セッション数、ページビュー数、ユーザー数などが挙げられている場合は、DAU (デイリーアクティブユーザー数) でまとめることができます。

ピラミッドの頂点にノーススターメトリックを据えた、KPIヒエラルキーを構築する

ヒエラルキーは、ピラミッド状に小さな指標から大きな指標のつながりを図にしたもので、KPIツリーとも呼ばれます。ここまでにあげた指標をピラミッドのようにつなげていきます。最上位にノーススターメトリックを置きます。

ノーススターメトリックをトラッキングする

ノーススターメトリックやサブ指標に向けた進捗(しんちょく)を測定するためには、適切な分析ツールが必要不可欠です。メンバーが好きな時にアクセスできる、ユーザーフレンドリーな分析ツールがなければ、企業は成功しているかどうかを判断できず、軌道修正もできません。

多くの企業が、ノーススターメトリックの測定において、ユーザー分析は欠かせないものだと考えています。ユーザー分析をすれば、ユーザーの深い洞察が得られます。以下のようなことができるように、ユーザー分析ツールが好ましいです:

  • マルチデバイスであっても個々のユーザーをトラッキングできる
  • レポートやダッシュボードを作成できる
  • チーム全体がインサイトにアクセスできるよう、ユーザーフレンドリーなインターフェースで利用できる

Mixpanel なら、ノーススターメトリックとなる指標さえ特定すれば、簡単にトラッキングを開始し、測定できます。またセルフサービス型なので、権限のあるユーザーならだれでも、いつでも数値を確認できます。

さいごに

ノーススターメトリックは成長するために、まるで植物の種のように、肥沃(ひよく)な土地(環境)が必要です。ノーススターメトリックを設定する企業には、それに即した適切な企業文化やインフラが整っている必要があります。

特に、メンバーたちが自分の行動を大きく変えなければならない場合や、多くの営業チームのように報酬体系が利益相反を引き起こす場合、部署間の関係や、部署の利益よりも会社の利益を優先する意思がなければ、一部の社員はノーススターメトリックを拒否するかもしれません。

ノーススターメトリックは、事業が前に進んでいるのかどうかを分析ツールで適切に測定できる環境で、指標を額面通りに受け止めすぎず、柔軟性を大切にする企業文化があれば、会社全体を一つの目標に向けて連携させる効果的な戦略です。

Mixpanelの分析ツールを使って、ノーススターメトリックをトラッキングしてみましょう。無料登録でのご利用はこちらから。